<スポーツバイク言いたい放題>
M900(MONSTER)
「ドゥカティ=レース」のイメージが強かったため、登場時は誰もが違和感を覚えた。
しかし結果的にモンスターは 今までと違う沢山の新しいドゥカティユーザーを発掘して、大きな看板の一つになった。
| 93年型 M900 | |
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851ベースのフレームに900SSの空冷エンジンを積むドゥカティの異端児。 「ドゥカティも変わったなぁ」と感じたのが正直なところ。 世間の声も 「バーハンドル?ネイキッド?そんなのドカじゃない」というのが大半だった。 73psの低い馬力とトルク型のエンジン、400並の小柄な車体、楽なポジション。 当時の自分は初めてのビックバイク、R1100をもてあましていた頃で、正反対のキャラを持つM900は興味津々だった。 何しろ似たものは他に無い唯一無二の存在だったから。 |
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今ではすっかり目に馴染んだけど、当時このデザインはかなり前衛的で奇妙に映った。 モリモリしたタンクとシート周りのスリムさはボディビルダーのようなイメージ。 マッスル系ネイキッドという言葉を生み出した。 タンデムシートの小ささも驚きだった。 こんなの許されるの?って感じ。 名前も奇妙だった。 小さくてかわいらしくさえあるのに、何が「モンスター」なんだろうっていう違和感。 それが逆に 何かを隠し持っていそうな、小粒でもピリリと辛いような、期待感を抱かせた。 |
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なんとタコメーターが無い! 回転数を気にしないで気軽に乗ってくれというメッセージ? これには驚いた。 なんという割り切り。 これも古くからのドカマニアの反感を買う一つの要因になった。 ハンドル幅が広いのも、後のストリートファイターと呼ばれるジャンルの定番になった。 |
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フレームはスーパーバイク系の851がベースだけど、性能追求のためじゃなくて、SS系より見た目に綺麗だったから。 後ろ半分が新設計で、 個人的には歴代ドカで一番綺麗なフレームだと思う。 |
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こうしてみると 余計なものが一切ついていない、シンプルなバイクっていいなぁと思う。 古さを感じさせないし、個性的でありながら安心して見ていられる、すごーく完成度の高い優れたデザインだと思う。 この後、上級バージョンが加わった事を皮切りに、モンスターは初期のコンセプトを忘れ、あらぬ方向へ突き進む事になる。 |
| 00年型 M900 i.e. | |
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吸気がインジェクションになり、 タコメーターが追加された。 やっぱりタコは必要だったみたい。 でもボテッとしててかっこよくない。 もうちょっとシンプルなデザインにして欲しかった。 |
| 01年型 Monster900S4 | |
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さぁ、この辺りからいよいよモンスターもおかしくなってきた。 ついに心臓移植という禁じ手を。 916の水冷4バルブエンジンを搭載したS4デビュー。101ps。 パワーアップに伴って フレームはモンスター用をベースに強化されたST4用と共通化。 ハンドルもセパレート。 店頭で見たときに どうもピンと来なかった。 モンスターにハイパワーが必要なのか?という疑問と、 エンジン周りを中心に モンスターの最大の良さであるシンプルさが無くなっていたからだ。 モンスターは自分を見失って暴走を始めたが、これはまだ序の口に過ぎなかった。 |
| 03年型 M1000S i.e. | |
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02年に 空冷モンスターもS4と同じフレームになった。 おかげでシート高が3cm上がる。 足つきのよさという大事な個性が薄れたのは残念。 03年にはSS900がツインプラグの1000ccに変わった事を受けて、M900はM1000へと変更。 |
| 03年型 Monster S4R | |
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水冷エンジンを積むS4は996エンジンのS4Rへ変身。 113ps。 ラジエターは大きくなり、オイルクーラーも付いて いよいよエンジン周りはゴツくなった。 「小柄なグラマー」 から 「単なる小デブ」 になった感がある。 更に片持ちスイングアーム、右2本出しのアップマフラー。 意味が分からない過剰装備だ。 |
| 05年型 Monster S2R | |
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ハイパワーを追い求めないはずの空冷までもが「R」になった。 ここまで重装備するのであれば、もう空冷である必要が無いのではないか? 水冷がレプリカ路線に突き進んでも、空冷はシンプルでゆったり乗れる味を残すべきじゃないのか? ドゥカティに多くの新しいユーザーを呼び込んだモンスターの個性とは こういうものではなかったはず。 |
| 06年型 Monster S4Rs Testastretta | |
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エンジンを最新の999へと変更し、更に高回転型へと変身。 オーリンズのサス、ラジアルマウントキャリパー、マルケジーニのホイールなどなど。 全てをやりつくし、もはや完全にレーサーレプリカ化。 価格は200万まであと一歩。 ついに130ps。 あれもこれも付けちゃえ、っていうセンスの無いゴチャゴチャ感、やりすぎ感がある。 せっかく鍛えられた美しい筋肉を持っていた人が、ドーピングによって人工的で不自然な筋肉オバケになったみたいだ。 いつのまにか 「R」の付かないスタンダードなモンスターはラインナップから外れていた。 自分はモンスターが好きだった。 しかしこの「R」シリーズを見ていると かわいらしく清純だった初恋の女の子が 久々に再会したらケバケバになってたみたいな寂しさがある。 いや自分はこのバイク自体に文句があるのではない。 面白そうだと思うし、個性的だし、是非乗ってみたい。興味は大。 もし93年初期型がこの形で登場してたら、「さすがドカはネイキッドといえどもスパルタン、他とは違う」って評価してたと思う。 世界中に愛されたモンスターを、ドゥカティ自らが否定するかのような進化をしているのが気に入らないのだ。 |