<スポーツバイク言いたい放題>

XJR1300

ZEPHYR1100、CB1000SFに続く第3のビックネイキッドとして94年に登場。
徹底的に日常性能と乗りやすさを追求したXJRは発売前から大いに話題を呼んだ。

94年型 XJR1200 (4KG)
前年の秋から雑誌をにぎわせていたXJR1200。 メインカラーはシルバー。
当時シルバー単色のバイクは少なく、XJRの個性をアピールする色として大人気だった。
売れたのはほとんどがシルバーだったと聞く。

リヤサスはオーリンズを純正採用。 ただし名前と設計を借りた国内生産物。
左の写真は94年型だけに存在したワインレッド。
エンジンはヤマハこだわりの空冷エンジン。
FJ1200の125psエンジンを98psまで落として、スロットルポジションセンサーを装着して搭載。
スポーツバイクのエンジンをネイキッドに転用する場合、カムまで変える事が多いが、
これはカムが共通のため、エンジン本体に手をつけずに吸気と排気だけで125psに戻す事が出来る。

トルクが豊かにあってぬくもりがあるとてもデキのいいエンジン。
ポジションは当時のビックバイクには無かった非常にコンパクトで扱いやすいもの。
エンジンの扱いやすさと合わせて、ビックバイクの常識を打ち破る扱い易さが身上。
タンク形状がとてもいい。 微妙なライン使いで表情があり、美しく、たくましい。
シートは座り心地がよくタンデムも楽。
メーターは見やすく、当時はまだ採用例が少なかった燃料計は昔のものと違って非常に精度が高く正確。
テールランプは耐久レーサーYZFっぽいデザインで 横長のレンズを上下に重ねる。

これらは全て現代のデザイン。 名前こそXJだが、懐古趣味ではない現代の最高のネイキッドを目指してる。
95年型でフロントにブレンボキャリパーを採用。
ただしこちらもブレンボの名前と設計を借りた国内生産物。
オーリンズは更にオーリンズらしく黄色いスプリングになった。
シートスポンジの一部分にワイラックスという低反発素材を採用し、更に座り心地がアップ。

ちなみに94年型はオイル消費量が多かったらしく、95年型ではエンジン内のクリアランスを詰め、解決。
そのかわりフケ上がりの鋭さは94年型が一番だったらしい。
ハーフカウル付きのXJR1200R。
カウルに合わせてメーターもレプリカ風に変更、ステッチなしのスポーツシート。
しかしコンセプトがチグハグで全く売れなかった。
大柄でツーリング向けとしか思えないカウルはスポーティーとは言えない。しかし名前もシートもメーターもレプリカ風。
ネイキッドに後からカウルをつけたバイクは大体売れない。
98年型 XJR1300 (RP01J)
XJRは年々進化していったが、スポーツ度を増すに従い、初期型のゆったり乗れるおおらかさを失っていったと聞く。

そしてついに排気量を拡大して1300へと進化。 100psへとアップし、重量は2kg減の230kg。
エンジンはシルバー塗装。 発熱の多い大排気量空冷エンジンは金属の収縮が激しいため、塗装がはがれやすい。
事実、10年以上が過ぎたXJRはほとんどにエンジン塗装のハガレが見られる。
だからエンジンをシルバーにしたのは正解。

同年にCB1000SFが1300として、全く共通部品の無い完全新設計のモデルチェンジをしたのに対し、
こちらは基本を変えることなく地道な熟成。
正常進化なのだが、世間一般にはやはり目新しい方が売れるようで、
1200で毎年キープしていたベストセラーの座をCBに空け渡した。
外観的な唯一と言っていい変更点がテール周り。
横の張り出しが増えてボリュームアップ、テールランプも立体的で不思議な形状になった。
このテールランプは賛否両論で、1200の方がいいという人も多くいた。
00年型 XJR1300 (RP03J)
パッと見あんまり変わって無いように見えるけど、細かい部分を大きく変えたモデルチェンジ。
足回り6kgを含む、合計8kgの軽量化で。
ブレンボキャリパーから削りだし一体構造のMOSキャリパーへ。

そして最大の変更はタンク。横幅が増え、高さが抑えられた。よく似てるけど別物。
個人的には従来型のタンクの絶妙なデザインが崩れたと思う。

免許制度の改定に伴って初心者が次々大型車に乗るようになり、それに迎合するようにシートが低くなりハンドルが近づいた。
それによってポジションのバランスは大きく崩れたようだ。
それまでXJRといえばシルバーだったのだが、この年からイメージカラーは青になった。
03年型 XJR1300 (RP03J)
FZS1000と共通のホイールに変更。足回り軽量化。
ただし年々厳しくなる騒音規制に対処するため、マフラー延長して容量アップした分で重量相殺。
合計の車両重量は変わらず。 多機能液晶パネルを追加した新型メーターを採用。

進化し続けてもXJRは路線変更をせず、キープコンセプトで熟成に熟成を重ねる。
乗りやすさとスポーツ性を両立した万人向けのベスト・オブ・ネイキッドであり続ける。
07年型 XJR1300 (RP17J)
スズキは20年続けてきた旧型油冷エンジンを終了した。 ゼファーも最終型宣言をした。
基本設計の古い空冷エンジンは新しい排ガス規制をクリアーできないから、名機がどんどん姿を消していく。
そんな中でヤマハはXJRの空冷を生かし続ける決断をした。

インジェクション+1本出しマフラーが一番目立つ変更点。
先代モデルの反省からか、ポジションはスポーツ指向へと変更された。
XJRは94年の初期型から形がほとんど変わってない。 でもメーターとテールランプだけは大胆に意匠変更してる。
テールランプはヤマハ得意の丸目2灯。 FZSっぽい感じになった。

開発者達はXJRが、空冷エンジンが、本当に好きなんだと思う。
ヤマハはエライよ。 動力性能も環境性能も不利な空冷を意地でも作り続けようとする姿勢に大きな拍手を送りたい。