<スポーツバイク言いたい放題>

GSX1300R

96年にフルモデルチェンジしたGSX−R750は素晴らしい出来で絶賛を受けた。 自分もコレに乗ったときは「新しい時代が来た」と思った。
翌年1100が同じようにモデルチェンジするのは当然と誰もが思った。 そして750の出来の良さから、1100が世界最速に返り咲くことは当然のお約束だった。
しかし大方の予想と期待を裏切って、GSX−R1100は翌年もその次の年も現れなかった。
実際開発段階ではR750をそのままスケールアップさせたようなスタイルでニューモデルを開発していた時期もあったようだが、
予想から2年も遅れて登場したニューモデルはレプリカではなく ZZR1100、CBR1100XXと同じ路線で登場した。
個人的にはあくまでスズキらしいレプリカ路線で、「GSX−R」として登場して欲しかったが、
その後の人気とロングセラーを見るとスズキの決断は正しかったんだろう。

99年型 GSX1300R
ハヤブサの登場は大きなインパクトだった。 圧倒的な性能と共にその強烈なデザイン。
このドクドクしい外観が皆の度肝を抜いた。
隼というペットネームは、「黒鳥」よりも速いぞ と暗に示していたんだろうか。

このボリューム感と175psの大馬力を持ちながら216kgと軽量に仕上げてきたのがスズキらしい。
96年のGSX−R750から始まった極端に盛り上がったシートカウルもついにらくだのコブのようになった。
とにかく全てが極端なデザインで 強烈な個性を放っている。 スズキにしか出来ない下品さがある。
動力性能は圧倒的だった。 CBR1100XXが登場した時はZZR1100との対決記事が多くの雑誌に載ったが、
ハヤブサの場合はあまりそういう記事を見かけなかった。 おそらく圧倒的な差が比較する意味すら失わせたんだろう。

このデザインは賛否両論だった。 というか「否」の方が多かった。 自分もそのクチだ...。
某M氏は「ハヤブサじゃなくて GSX1300Rイモムシ にすれば良かったのに」という暴言を吐いた。
しかし時間と共に 「賛」と「否」の比率は逆転していった。
あれだけ「キライ」といわれていたのに 今となっては多くの人が 「好き」、「独特の迫力がある」と高く評価し、
最強バイクの象徴としてハヤブサを賞賛するようになった。
自分も最初の考えを変えさせられた、ハヤブサデザインを高く評価するものの一人だ。
ハヤブサには 「存在感」と「オーラ」がある。

GSX1100Sカタナのように、「賛否両論分かれるデザインは長く愛されるデザイン」というのがスズキの考え方だ。
デザイナーは 「始めはうわっと思うが徐々に好きになっていくデザインを目指した」 と言っている。
そして実際にそうなったのだからデザイナーの先見の明は素晴らしいと言える。
一つだけ違った事といえば 始めは「うわっ」ではなく「ウゲッ」だった事くらいだ。

エアダクトと一体のデザインをされたウインカーも凝ってる。
ハヤブサデザインで唯一と言っていい残念なところは、シングルシートカウルを外し、タンデム仕様にした時の
リヤシートとグラブバー。 いかにもとってつけたようなデザインでボテッとしている。
流れるような全体のデザインの中で、そこだけ流れが止まったかのような浮いた感がある。
ハヤブサだけではない。 スズキはタンデムシートのデザインがヘタなメーカーだ。
コーナーを立ち上がって来たこの顔にハッとしたことがある。
見る角度によってこれだけ表情を変えるバイクも珍しい。
二つのヘッドライトを縦に並べるというのはCBR1100XXが既にやっていたが、
その後このライトデザインはスズキのアイデンティティとなった。
YZF−R1以降 各社のスーパースポーツはツリ目2灯を採用するが、
GSX−R1000だけは縦目2灯で他には無い独自性を出している。
テール周りは比較的上品にキレイにまとまっている。
プロジェクターランプが収まる部分のふくらみが、ヌメヌメした感じを更に強調する。
このふくらみは あっても無くても空力には影響が無かったらしい。
あっても無くても変わらないならヤメるか...じゃなくて、
影響がないならつけましょ、その方が個性的でしょ って考えるのが いかにもスズキらしい。

それにしても 「GSX1300R」 というネーミングはあまりに安易だ。
「全く新しいスーパースポーツを目指した」というのなら、新しいブランドを与えてやってくれ。
「GSX−R1100」 から 「R」 の位置が変わっただけじゃないか。
GSXという記号に意味があるのは分かるが、いまやGSXは全く無個性なブランドになってしまっている。
CB、CBR、YZF、XJR、ZZR、ZRX...普通名前を聞いたらこういうジャンルのバイクってイメージが湧くでしょ。
でもGSXって聞いても レプリカなのかツアラーなのかネイキッドなのか全然分からない。
メーターは左右対称レイアウト。 ツアラー然としている。 四輪車的とも言える。
このテのバイクはメーターデザインが落ち着いたものになる傾向があるが、マイナーチェンジ後のCBR1100XXみたいに
思い切った「攻め」のデザインをして欲しかった。 スズキなんだし。 

フルスケール350km/hのスピードメーターを持つのは99−00までのハヤブサと00ZX−12Rのみ。
その後は自主規制により300km/hを超えるスケールを持つメーターは世から姿を消した。
単色の限定車も度々リリースされた。
00年のシルバー、02年のブラック、03年のオレンジ、04年のレッド&ブルー
その都度 クロブサ、アカブサ、アオブサ、銀ブサなどと呼ばれた。
さすがにオレンジブサとは聞かなかったが。
06年限定色のホワイト。 かっこいい。
ハヤブサモデルチェンジの噂は毎年出ているがなかなか変わらない。
開発を進めつつも ホンダ、カワサキの出方を伺っているようだ。
06年にZZR1400が登場して、いよいよ新ハヤブサは07年に1500で登場か!?