スポーツバイク言いたい放題

ZX−9R

カワサキが開拓した900ccスポーツというジャンルで、CBR900RRに奪われた市場を奪還するために登場。
Z1、GPZ900Rに続く、第3のKawasaki900という、あまりに重過ぎる使命を与えられて生まれたのがZX−9R。

94年型ZX−9R (B型)
CBR900RRへの対向意識はアリアリだったけど、カワサキが採った手法は軽量化じゃなかった。
139ps + 215kg。
これはホンダがCBRを開発するときに避けた、「パワーを上げるとその分重くなる」 という方向そのもの。
最高速はZZR1100にせまるすさまじいもの。でも決して軽くないから、CBRとは別ジャンル。
形はかっこよくて結構好き。でもさすがにGPZ900Rの後継としてNinjaのネーミングが与えられるのは荷が重過ぎる。
10年飽きない形というのはそう簡単に創れるものではないし、
個性のある顔だけど、現代的な空力重視のカウルは独創的とまでは言えないから
Ninja程のインパクトは無いし、ライバルとの差別化も難しい。
Ninjaは(実際は空力的に優れていたものの)あたかも空力を無視したかのような突拍子も無いデザインがウケたのだ。
現代のレベルで見ると、スーパースポーツとは思えない、重そうな外観だ。
逆に言えば、落ち着いた、大人のスポーツバイクっていう雰囲気もある。
アルミパネルの高級感あるメーターは好き。燃料計もちゃんと入ってる。
ポジションは最高。走り出した瞬間に「自分にオーダーメイド?」っていうくらい ハマった。
重厚なエンジンフィーリングもいい。

当時のカワサキとしては珍しく、グラブバーもセンタースタンドもない。
プレス関係者から「カワサキなのになんでグラブバーが無いんだ!」という声が上がったらしい。
それはある意味このバイクをスーパースポーツとして認めていない発言だ。

そんな声にこたえて95年にグラブバーをつけたカワサキは、意思が強いのか弱いのか...。
96年にはブレーキを6potに変更。重量は218kg。
仕向け地によってはプロジェクターを使った左右非対称のライトを採用しているものもある。
ひねくれものの自分は左右非対称の方が好き。
98年型 ZX−9R (C型 キャタライザー付きはD型)
初代ZX−9RはCBRとは違う層にそこそこ売れたようだが、どうやらCBR人気は高まるばかりで、
やはり世の中が求めているのはCBRのようなバイクなのだと悟ったカワサキは98年に9Rを大幅チェンジ。
同じくモデルチェンジしたCBRの 130ps + 180kg に対して 143ps + 183kg。
35kgもの減量は大したもの。これほど軽量化してもしっかりグラブバーは付いている。
顔はガッハッハって笑ってるみたい。
しかし 150ps + 177kg のYZF−R1のインパクトはスゴすぎた。話題は全て持っていかれた。
従来型に比べて いかにも軽くなったのが視覚的にも良く分かる。
ホイールが異常にスリムになっているのが、98年にデビューしたスーパースポーツ達の共通の特徴。
当時はR1や9Rの 「ホイール」 にまず衝撃を受けた。
スーパースポーツなのに単色というのも当時としてはちょっと珍しかった。

上が94年型、下が98年型。
こうして比べてみると、従来型はフレームも足回りも補器類も、全てが重そうで、ツアラーを見てるみたい。

GSX−RやYZF−R1が極端に前後長の短いエンジンを採用する中、9Rのエンジンは極めてオーソドックス。
この基本構成は03年まで続く。

乗った感じは交差点で倒れそうなくらい軽くパタッと寝て怖かった。
ひと開けの加速はすさまじくて、これだけあれば、1100とか1300とかの排気量は全然必要ないなと思う。
そう感じさせるだけの説得力がこのエンジンにはあった。
00年型 ZX−9R (E型)
Ninjaのあとがまの使命を背負っていたはずの9Rだが、
不変のNinjaに対して、すっかり2年に一度変化するサイクルに乗ってしまっている。
まあ時代の流れだからしょうがないね。
顔が変わっただけかと思ったら 実はスイングアームやフレームまで新作。変更点は多い。

1馬力アップの144ps。重さは同じ。
フロント周りがボリュームアップしたことで、おたまじゃくしっぽくなった。
こうしてみると、前後のバランスがどんどん崩れていってる。
内容的には他社とはちょっと違う路線を行っているのはいいが、R1顔を取り入れたのが残念。
カワサキお得意のお口(ラムエア)があるからまだいいが、もうちょっとオリジナルな顔を作って欲しかった。

94年、初期型はCBRのライバルとしてデビューしたが、徐々にツアラー色を強めていった。
98年にはツアラー色を捨てて、完全にCBRと同じ土俵にのったのだが、
後にライバルがどんどん進化したのと同じ道は歩まず、またツアラー色を強めているのが面白い。

ちなみにこのエンジンは1000ccのYZF−R1やGSX−Rよりもボアが大きい!超ショートストローク!
ライバルの中で一番おとなしいZX−9Rが一番ショートストロークというのも面白い。
02年型 ZX−9R (F型)
F型への進化は正直見逃していた。
見た目的にはスイングアームが補強入りになったのと、ブレーキが4potキャリパーになった、
あとはグラブバーが無くなってテールカウルがシャープになったくらい。
変更内容が地味だし、まさか型式が変わってるとは思わなかったけど、でも変更点は130箇所もあるんだって。
残念ながら重量は3kg増えて186kg。
軽量化競争がヒートアップしている中、重量増しになってしまったのは痛いが、
すでにこの頃ZX−10Rの開発が始まっていただろうから、それを見越して無理な開発はしなかったという事かな?