スポーツバイク言いたい放題

ZX−7R

レースが一番盛り上がっていた時代に、カワサキだけは2ストロークの世界グランプリに参戦していなかった。
ただしスーパーバイクやTT−F1では活躍していて、
4ストロークのカワサキと言われた立役者がGPX750Rから始まるZX−7系エンジン。

GPX750R 86年 (ZX750F)
GPX750R。
一代で終わってしまったし、決して人気車とはいえない、目立たない存在だけど、実はコレすごいバイクなんです。
それまでカワサキの750は900か650のベース車両があったけど、コレは記念すべき 初の750専用設計。
それだけに気合の入れ方はハンパじゃない。
Z1 以降、4気筒スーパースポーツに「Z」の記号を使ってきたカワサキが、初めて「Z」から離れ、
性能追求を目指した「Z」に「人間性、社会性、感性」を取り入れたという 「Xの思想」を提唱。
900と共通の車体だったGPZ750Rから33kgも軽量化された195kg。車体は400に近いくらいコンパクトになった。
GPXの面白いところは、一見 退化とも思える装備が与えられていること。

アルミフレーム時代に鉄のダイアモンド型フレームで対抗したNinjaよりも更にオーソドックスなダブルクレードルフレーム!
一見地味なこのフレームは、コンピューター解析によってタマゴ型に設計された実は賢いフレームなのだ。
当時はアルミツインチューブフレームに鉄のシートレールという組み合わせが一般的だったが、
カワサキは重心から遠い部分が軽い方が有利との理論で 鉄フレームにアルミのシートレールを組み合わせた。
しかもアルミと気づかせない黒塗装になってるのがいかにもカワサキらしい。

非常にコンパクトになったエンジンは、Ninjaのサイドカムチェーンから、なんとセンターカムチェーンになった。
明らかに時代に逆行している。でもそれできっちり性能を出している。
オーソドックスな技術で丁寧に作りこむことによってライバルに匹敵するところが質実剛健でカワサキらしくてかっこいい。
メーターは1枚のパネルの中に配置された左右対称の 四輪を思わせるデザイン。
その後長くカワサキビックバイクに採用されることになる秀逸なデザインのミラー。
他のレーサーレプリカ達のセオリーに ことごとく反する造り。
見た目はおとなしいが、実は反骨精神に満ちた、カワサキらしさ満開の一台なのだ。
GPZ1000RXにも採用されたシャンパンゴールドのカラーも追加。
上品でジェントルな色がいい。
Ninjaと同じように、フルカウルでありながらエンジンを見せるデザインなのが面白い。
カワサキだから当たり前と言わんばかりに、グラブバー、荷かけフック、センタースタンドもちゃんとある。
最終型のカラー。カワサキの黒はかっこいいですねー。
フレームまで改造OKだったTT−F1のカテゴリーではGPXベースのエンジンをアルミツインチューブに積んで
ZX−7としてリッパにレースを戦っていました。
それだけ高い性能と実用性を両立していた、とってもエラいバイクだったわけですね。
ZXR750 89年型 (ZX750H)
素晴らしい内容だった「Xの思想」も長続きはせず、再び「Z」の記号が使われるようになった。
今までおとなしくしてた反動でか、外装も中身も全てが一気にレーサーレプリカに。
でも他社のレプリカに比べるとどことなくアカ抜けてなくて、車体もかなり大柄。
車体の大きさのせいでレプリカとは思えない、レーサーの形をしたツーリングバイクっていう印象があった。
中型車で流行り始めた段付きシートも、大型車ではヨーロッパでの2人乗りのために採用されなかった。
段つきにしたいけど、乗り心地も重視したい、っていう迷いが感じられるシート形状。

社外品のようなものすごい外観のマフラー。
スイングアームの補強も後からつけましたっていう感じの無骨さ。

テールランプは250、400の横置き角目2灯ではなく、長方形の縦置き2灯。
ZXR750 91年型 (ZX750J)
89年型は250〜750まで共通のデザインだったが、
91年は250、400が「正義の味方」チックな顔になったのに対し、750は昔ながらの大径丸目2灯を継続した。
テールカウルエンドにウイングのようなグラブバーのような不思議なパーツが付いた。
エンジンはGPXベースをやめ、新設計でサイドカムチェーンになった。
ただしNinjaの左サイドカムチェーンに対して、こちらは右サイドカムチェーン。
フレームも新設計。

ライト下からウインカー付近にかけてエグれているのがデザイン的に新しい。ちょっとカエルっぽい顔になった。
ZXR750 93年型 (ZX750J)
またまた2年でマイナーチェンジ。
あまり変わってないように見えるが、ラムエアが目印。
片側だけに大きく口を開けるラムエアダクトが斬新。
左右非対称の顔っていうのは珍しい。
ZX−7R 96年型 (ZX750N)
どちらかというと今までストリートを意識していたが、完全にサーキットを意識した内容にモデルチェンジ。
エンジンは超ショートストロークになった。
色使いがなんか妙。緑単色にテールだけ紫。 かっこ悪いと思う。
写真はレーサーベース車の7RR。ストリート仕様の7Rには、なんとグラブバーが付く。
この顔は結構好き。
アーモンド・アイのダブルヘッドライトはかっこよくもあり、かわいらしくもある。
大きく口をあけたラムエアダクトも決して不自然でなく、下品でもなく、迫力があってよい。

内容的にはカワサキとしては珍しく、完全にレースに振った 入魂の一台だったのだが、
同年にデビューしたオールニューGSX−R750のインパクトが強すぎて影が薄かった。