スポーツバイク言いたい放題

ZX−10R

04年はパワーウェイトレシオという言葉が飛び交っていた年だった。
前年までの最強バイクは PWレシオ「1.02kg/ps」 のGSX−R1000だった。
そして04年はおそらくどこかのメーカーによって 初めてPWレシオ「1.00kg/ps」が実現するだろうと噂されていた。

04年型 ZX−10R (ZX1000C)
初めてPWレシオ「1」を達成したのはYZF−R1だったけど、
その直後に登場したZX−10Rがついに「1」を下回った。 175ps 170kg PWレシオ「0.971kg/ps」
ツーリング寄りだったZX−9Rから 一気にサーキットに的を絞ったカリカリのマシンになったわけだ。
同年デビューのCBR1000RRとYZF−R1はセンターアップマフラーだったが、
ZX−10Rは通常の取り回し。 ただし空に向かって激しくカチ上がる。
カワサキの発表によれば、流行のセンターアップを採用しなかった理由は軽量化で、こちらの方が4kg軽く出来たとの事。
ホイールがいかにも軽そう。 ブレーキは市販車初のウェーブディスク。
ラムエアインテークがライト上にでっかく口を開ける。
カワサキは見た目下品になろうが、ここにつけたいっていう場所につけちゃったわけだ。 いかにもカワサキらしい。
フロントウインカーはSSとしては珍しく、カウルと面一のビルトイン。
リヤウインカーも太いエンピツみたいなものが真横に突き出している。
これまた特徴的なフレーム。 エンジンの横ではなく上を湾曲して通る。
4気筒は横に大きいから、いかに幅を狭くするかが課題なんだけど、
カワサキはZX−12Rのモノコックフレームの考え方を一般的なアルミフレームに応用した。
同年のYZF−R1は同じ目的達成のために、エンジンをフレームに干渉しない所まで大きく前傾したが、
カワサキは逆にフレームがエンジンを避けたわけだ。
ZX−10Rのタンクはモリモリと筋肉質で結構好き。

乗り比べると...っていうレベルだけど、やっぱりエンジンはガサツなカワサキらしさを僅かに残している。
メーターはG−SHOCKみたいなデザイン。 豪華さが無いというか、ちょっとちゃっちい。
スピードメーターがデジタルなのは既に一般的だが、タコメーターもデジタルは珍しい。 円周を液晶バーグラフが走る。
トップブリッジの肉抜きはカッコイイ。
ベローンと横に広がったやたらデカイ目。
葉っぱに擬態して獲物を襲う南米のカマキリみたいな顔だ。
06年型 ZX−10R (ZX1000D)
ハヤリのアップマフラーを採用したのが最大の外観的特徴。 顔もガラッと変わった。
でも中身の変更は更に大規模。
フレームは強化され、スイングアームも変更。 エンジンに至っては全面的に設計変更。
クランク位置が高くなって、重心位置が上がった。
パワーは175のままで重量は5kgアップの175kg。
2年前「センターアップマフラーを採用しなかった分4kg軽く出来た」と言っていたが、
その分がまるまる今回重くなってるわけだ。
プロジェクターランプ採用で可愛らしい顔になった。 昔のYZF−R7に良く似ている。
色以外に カワサキらしさ、ZXらしさというのが良く分からないし、かと言って新しいトライをしてるわけでもない。
個性も主張もあまり感じない。

最近のカワサキ車を見てると デザイン陣は迷ってるように思える。
「カワサキらしさとは何なのか」、模索している途中で 答えが見つかってないのではないか?
前年の6Rがカワサキ初のセンターアップマフラーだったため、10Rも同じようになると予想されたのだが、
左右に分かれた サイドアップマフラーとでも呼びたいスタイルになった。
カウルに収まってるわけでもなく、R1のようにシルエットに溶け込んでるわけでもなく、中途半端な感じ。
初期型の軽快なイメージが無くなって 見た目に重たい。
タコメーターは一般的な針式になった。 液晶バーグラフは見づらかったのかな?
スピードはガラス面に浮き上がるように見える新技術。 あんまりかっこよくないけど新しいトライは評価。

トップブリッジは無骨でメチャメチャかっこいい。 
純正でオーリンズのステアリングダンパーが付いてる贅沢。