<スポーツバイク言いたい放題>

CBR400RR

一旦生産終了した後に再生産された大人気のCBX400Fの後継車種という重大な責任を与えられたのがCBR400F。
その後CBRは 「F」 から 「RR」 となってレーサーレプリカへと転身した。

84年型 CBR400F (NC17)
CBRというブランド名を聞いて、水冷の超高回転ハイパワーエンジンをイメージする人は多いだろうが、
初めてのCBRはなんと空冷エンジンだったのだ。
ホンダのスポーツバイクを代表するCBというブランドは、DOHC4バルブでCBX、更に水冷でCBR...では無かったのだ。

名車の呼び声高かったCBX400Fの後継車種として、鳴り物入りでデビュー。
ネイキッドスタイルではあるが、角パイプフレーム、角型ライトなどによりCBXとは随分イメージが変わった。
エンジンには「REV」と呼ばれる可変バルブ機構を装備。 低回転では2バルブ、高回転では4バルブになる。
この巨大なライトステーがこのバイクの最大の外観的個性。
これによってハンドルを切ってもライトは動かず常時前を向く。 (でもメーターはハンドルと共に動く)

あたかもカウルを取り去った後のような未完成なデザインに、始めは「なんじゃ?」と思った。
基本的に新しいデザインを世に問うことをしないホンダとしては珍しく冒険している。
CBR400Fエンデュランス。
その名の通り、耐久レーサーをイメージするダブルヘッドライトと大柄なカウルを持つ。

同年デビューしたGSX−RやFZ400Rがレーサーそのものというデザインだったため、
元々ネイキッドだったCBRに急遽カウルをつけて追従したという感もあるが、
タンクやテールカウル形状はカウル付きに似合うデザインであるため、
もしかしたらネイキッドよりカウル付きが前提で開発されていたのかもしれない
エンデュランスのフルカウルバージョン。
「F−3特別仕様車」と呼ばれていたようだが、正式車名は「エンデュランス」のままであり、「F−3」は入らないようだ。
通常のエンデュランスよりもバランスが取れていてかっこいい。
出回った数はとても少なく、当時でも見かける事は少なかった。

しかし何故ハーフカウルとフルカウルの2パターンをリリースしたのかが不明。
これもやはり後から急遽フルカウル化してライバルに追従した感が否めない。
85年型 CBR400F (NC17)
マイナーチェンジ。
それまでの左右2本出しから、オールステンレスの集合マフラーに変わった。
ノーマルでステンレスの集合というのは当時としては非常に珍しい。
そこだけ妙に浮いていて、社外マフラーをつけたかのような派手さがある。

ホイールが現代的な3本スポークに、スイングアームがアルミになった。 (初期型ってスチールだったんだぁ...)
「CBR400Fフォーミュラ3」 3,500台限定。
盛り上がりを見せるアマチュアレースに対応して、思い切ってシングルシート。
これだけレースイメージを強調しちゃうと、
他社の水冷エンジンより1馬力低い空冷エンジンのアンバランスが逆に目立ってしまう。
シングルシートにしたところで、レースを志す人は 「水冷のFZ」 や 「アルミフレームのGSX−R」に
流れて行っただろうから ホンダの立場は厳しかっただろうな。
86年型 CBR400R (NC23)
この年CBRはようやく水冷化され、カムギヤトレーンのハイメカにフルカバードの外装をまとった。
それまでのCBRはネイキッドもアリ、レーサーレプリカもあり、とコンセプトがハッキリしなかったが、
レース関係はVFRに任せ、ストリートバイク1本にしぼったワケだ。
事実ホンダはV4エンジンでレースを戦っており、直4のワークスレーサーは存在しなかった。
V4は思いっきりレース指向、直4は思いっきりストリート、というホンダが打ち出した方向性はとても明確で好感が持てる。
車体横に「AERO(エアロ)」の文字が見えるが、正式な車名に「AERO」は入らない。
フルカバードバイクは海外にbimota DB−1があったが、
それと同じようなことをしているCBRは「本当にコレは日本車か?」っていう何やらスゴイバイクのような気がした。
でも冷静に見ると、決してカッコいいデザインではない。
88年型 CBR400RR (NC23)
「CBR」はストリートバイクで行く!と決めたのかと思ったら やっぱりレーサーレプリカで行く事にしたようだ。

この年CBRは250、400ともに完全なレーサーレプリカに生まれ変わり、同社のVFRと真っ向からぶつかる事になった。
異様にゴツいモノコック構造のスイングアーム、アルミマフラーなど豪華装備。
ライト横のエアインテークはエアクリーナーボックスに繋がるが、加圧をしていないのでラムエアではない。
ライトの周りにウルトラセブンのメガネみたいなちょっとツリ目のリムがある。
テールランプも丸2灯で同じような飾りがついている。
機能的に全く意味の無いこの飾りをナンじゃこりゃと思っていたが、
これがその後のアーモンドアイやツリ目デザインに繋がっていく。

ちなみに当時、オプションでフレームカバーというものが準備されており、
それを装着するとカウルからタンクにかけて滑らかに繋がってフレームが隠れ、フルカバールックになる。
AEROのなごりと言えるパーツだ。 装着している人を見たことはないが。
90年型 CBR400RR (NC29)
フルモデルチェンジ。
メインフレームが真ん中でS字に曲がる特異な形状。 スイングアームもへの字に湾曲した。
VFR〜RVFの流れは依然としてレーサー街道まっしぐらだったが、
この年からCBRはレーサーレプリカでありながら、ストリートにシフトした感がある。
ライト周りの飾りは更に派手になり、月光仮面かマスク・オブ・ゾロかという感じ。
何の機能も果たしておらず、子供っぽいだけなのだが、
その後ライトそのものがこういう形になっていったわけだから、デザインのトレンドを生み出したという意味ではエラい。

年々レーサーレプリカが衰退していく中、CBRは非常によく健闘し、長くリリースされ続けた。