03年 南東北温泉三昧 & 東京モーターショウ
長距離ツーリングは00年の 「中部・北陸」 以来3年ぶりになる。今回もバイクは当然セロー。ただしかなり使い込んできて車体回りに不安があるため、大掛かりなフレッシュアップを行った。
前後タイヤをモトクロスタイヤからロードタイヤへ、レースで曲がってしまったブレーキロッド交換、漏れてきた為フロントフォークシール交換、
他にも、チェーン&前後スプロケット、前後ホイールベアリング、ステムベアリング、ブレーキパッド&シュー、
メーターケーブル、クラッチワイヤー、アクセルワイヤーを交換した。
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今回は自分がまだ通過したことが無い千葉県と愛知県を走るのが最大の目的だった。 |
1日目仕事が終わってから直ぐに出発した。 どしゃ降り。 苫小牧24:00発のフェリーに乗り込む。 |
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バイクで船のスロープをガタガタと上がっていく時が一番楽しい! ひゃっほー!って感じ。 旅の始まりを一番実感する瞬間。期待が最高潮に膨らむ瞬間だ。 船で旅が始まり船で旅が終わると言うのはすっかり自分の旅のスタイルとして定着したな。思えば出発が夜の船というのは初めて。 今は旅行シーズンではないし、こんな夜中の船だから乗船客はとても少ない。当然バイクは自分ひとり。 時期を外れているのは寂しいが、旅の孤独感を一層盛り上げると言う意味では良くもある。 船が陸を離れていくのは毎度の事ながら独特の寂しさがある。 夜の海、そしてデッキには自分以外いない。街の灯りが次第に遠のいていく。強烈に孤独を感じた。 あー、旅だなーって感じ。 自分にとって 「旅 ≒ (近似値) 孤独」 なのだと再認識する。 さようなら苫小牧。行ってきます...。 |
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夜はよく眠れなかった。海が荒れている。今自分は何メートル上下しているのだろう、というくらい縦揺れがひどい。 時々ドカンドカンと大きな音がする。船...大丈夫だろうな...沈まねぇだろうな...。 しかしその時の自分は例え船が沈んでも絶対に生きて帰ってみせるという根拠の無い変な自信にあふれていた。 |
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2日目9:30八戸着。今日は移動がメインの日。本当のことを言うと上陸は八戸ではなく仙台にしたかった。八戸は今回の目的地である南東北からは離れすぎてる。でも船の時間が合わなくて八戸しかなかったのだ。だから今日はガンガン移動しなくては。 |
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八戸から海沿いを走り始めてすぐいいルートになった。ガンガン移動しなくちゃいけないのに、ちょくちょく止まってしまった。 海、白浜、奇岩。飽きない。 ここは海沿いの天然芝。素晴らすぃー。 |
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岩手県の陸中海岸国立公園はいくつかのきれいな景勝地がある。 そんな中で一番キレイだったのが 「北山崎」 。うぉー!っと声が出る美しさだった。 「鵜の巣断崖」 も豪快だった。 「浄土ヶ浜」 は昔話に出てきそうな静かな浜。 なんだかんだ言って随分寄り道しちゃってるな... |
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その後、宮古市でバイク屋にピットイン。出発直後から気になっていた前輪のトラブルを直すため。 10畳一間の小さなバイク屋で、この場所で40年やっているそうだが、「息子は継がないと言っている...」の言葉が寂しそうだった。 自分も手伝いながらタイヤの修理をした。 終わってからお茶しながら話をしていたが、もう陽が沈み始めていたためあまりゆっくりしていられなかったのが残念。 結構手間がかかったのに「1000円でいい」って言うもんだから、申し訳なくて2000円置いてきたら妙に恐縮された。 自分の息子を送り出すかのように「気をつけて」と肩をポンポンポンと3回たたかれたのが暖かくて印象に残った。 |
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予定よりも全然走れなくて、考えていたよりもかなり手前でキャンプとなった。 頻繁に止まったり寄り道しちゃうからしょうがないよね。明日は超早起きをして距離を稼がなくては。 キャンプ場は他に客はいないため、シャワールームの脱衣場に寝泊りさせてもらうことになった。 炊事場もつながっていて、とても便利。ここはヘタなバンガローより快適かもしれない。買出しに行き、近くの温泉に入り、ゆったりとくつろいだ。 |
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3日目朝4時に起きた。外はまだ真っ暗。 「星が沢山ある!」 ものすごくキレイだ。首が痛くなるまで空を見上げていた。流れ星もいくつか見た。人間は自然からエネルギーをもらうのだと思う。自然を身近に感じていると、悪いことができなくなると思う。 自然の偉大さを感じてしまうと人間の存在の小ささ、無力さを痛感するからだ。 今日のメインは温泉2箇所! |
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98年に一度行った厳美渓に行き、「空飛ぶダンゴ」をまた食べてきた。 須川高原温泉へ。 峠をどんどん登っていくと霧が出てきた。頂上はかなりの濃霧。標高1,126mの高所にある温泉。 脱衣所から外に出ると...真っ白! 何も見えない。右か?左か?湯船はどこだ?風が強い、寒い! 目を凝らして湯船を見つけてつかる。冷たい風に熱い湯が気持ちいい。 目の前には巨岩があるはずだが...何も見えない... あ、見えた。たまにガスの流れ次第で見える。他にも湯につかってる人がいるのがはじめて分かる。 すごいな。強風と濃霧の中で湯につかってるなんて。 |
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「荒湯地獄」 一面真っ白。そして硫黄くさい。 こういうこの世のものとは思えない風景って好きなんだよなー。 荒涼とした背景にセローをモデルとして大撮影会が始まった。 |
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時期的には紅葉の最盛期は過ぎてしまっているが時々素晴らしい紅葉が見られた。 燃えるような赤とは正にコレだ。早く先に進まなきゃいけないのに、あちこちで何度も止まって写真を撮った。 2つめの温泉は鬼首温泉の「峯雲閣」 しかし、ここの外来入浴は1時で終了。着いたのは1時20分だった。うゎー...しまったぁー...。交渉したけどダメ。 ここは今回是非とも入っておきたかったところなのだ。 悩みに悩んだ末、今日はここ鬼首から動かないことを決意。明日の朝この温泉に入ろう。 |
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せっかく朝4時に起きたのに、午後1時半に移動終了。今日の午後と明日の午前は移動できない。丸一日をつぶすことになる。 今回の大事な目的である 「愛知県に行く」 ことを捨てた瞬間でもあった。課題をクリアーする事よりも東北を満喫する方を選んだのだ。 直ぐそばにある吹上温泉キャンプ場にテントを張る。ここは98年にも泊まった事があって、その時は例によって早朝出発したら早すぎて間欠泉が見れなかった思い出がある。 時間がたっぷりあるから当然間欠泉をみにいった。想像よりも遥かにショボかった...。 キャンプ場内の温泉に入って夜は十分ある時間の中でゆったり。 |
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4日目3連休の初日。朝は早起きしてすぐ移動を開始したいところなのだが、今日は鬼首温泉に入らなくてはいけない。そして温泉は10時から。だから動けない。 今日は蔵王にも行く。早く蔵王に行きたい思いと、でも温泉でもゆっくりしたい思いがぶつかる。 8時にテントをたたんで時間まで紅葉を見に行った。昨日通ったところにキレイな赤があったから。 |
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これです。この湯の滝に入るために1日つぶしたのです。 この日の湯温は36度。ぬるいからずーっと入っていられる。 ここはイイな。気持ちがいい。 |
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この温泉からはこーんな紅葉が見られる。 素晴らしいじゃないですか! 11時。さぁ蔵王へ。バイパスをガンガン走る。 山形ではソバを食べようと思っていたのだが、時間が押してきた。蔵王でゆっくり時間を取るために昼飯はヌキで走ることにした。 |
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3度目の蔵王 <御釜>です。 青空は見えるのに、低いところに厚い雲があって、陽が入ってこない。 でもやっぱりキレイだ。 荒々しくも美しいこの造形を何と表現しましょう...。 |
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キレイなのはカルデラ湖だけではないのです。 この山並みはどうだー! |
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この風景はたまたまじゃないのです。今まで3回ともコレが見れてるんです。 日が傾いてくると更に美しさを増してきた。 この絵のような美しさ、どーしてくれよー。 素晴らしすぎる。蔵王は自分にとって 「日本で一番好きな場所」 だ。 |
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ここでお土産を買った。持ちきれないから一部は郵送した。 お土産やさんでステンレスのコップをゲット。実は今回突然欲しくなってホームセンターに寄って探したのだが無かったのだ。 思わぬところで見つけてしまったな。ラッキー。これから毎日これで暖かいスープやココアを飲もう。うれし。 峠を下った頃にはもう陽が沈んでいた。 峠の途中でバスが脱輪していた。 今日のキャンプ場は98年にも利用した場所。ふもとの寂れたキャンプ場。 |
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曇りだったのが残念だったが、ゆっくり蔵王を鑑賞できてよかった。明日も早起きしてガンガン移動しなくては。 今日の蔵王はきれいだった。でも...曇りだったのが心残りだな...。バシっと晴れた蔵王がもう一度見たかったな。 そうだ、明日もう一度行こう。陽が昇る前に行って朝日を浴びる蔵王を見よう。最高かも...。 早い時間に行って早い時間に出て行けば時間のロスも少なくて済むだろう。 よし、明日が楽しみだ。 |
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5日目4時起きでまずは朝焼けの蔵王を見て、2つの温泉に入る予定。今日の温泉も絶対にはずせないところ。 |
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真っ暗な中スタート。峠をのんびり走る。だんだん空が明るくなってきた。ヤバッ急がないと朝焼けの時間を逃してしまう。 急げ急げ...と...途中ゲートが閉まってる。先日初雪が降って以来、夜間は通行止めらしい。開くのは8時。ウッソー...。 仕方なく峠を下る。でも...スッキリしないな。朝焼けは無理としても、今日は天気がいいし、晴れた御釜を見るだけでも価値アリかな。 で、長い峠を下りきってからまた峠を登り始めた。そしてゲートの前で待ちぼうけ。まだ1時間半もある。 峠を走りに来たTRX君が話しかけてきた。話好きな人でずーっとしゃべってた。 そこへたまたまトラックで道路管理の仕事中の彼の同級生が来た。 彼は昨日のバス脱輪救助作業現場で交通整理をしていて私を見かけたらしく、「昨日もいましたよね」と言っていた。 |
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8時前にゲートが開いた。待っていた車が一斉になだれ込んだ。自分は一番最後にゆっくりスタートした。 御釜は強風と濃いガス。御釜自体ははっきり見えるものの直ぐ上はガスがガンガン流れていて、頂上付近は全く見えない。 98年に遭難しかけた時と同じ。そう、自分はあの時こんな感じの強風と濃霧の山中を歩いていたわけだ...。 さぁ予定よりも随分時間をロスしてしまったな。急ごう。 |
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米沢市通過は10時。そうだ、蔵王で予定外の大幅時間ロスがあったから日中に米沢を通過しているわけだから、 これ幸いと、ここで 「米沢牛」 を食べていこう。きっとそういう運命だったんだ。 しかし、どの店も11時から開店...がっかり...ここで1時間ロスするわけにはいかず、あきらめて先に進む。 きっとそういう運命だったんだ...トホホ...。 「峠駅」の茶屋で。茶屋で一緒になった米沢市のマダム達と雑煮をいただく。 ここ峠駅ではホームに電車が来るたびに窓越しの乗客に「力餅」を売り歩いている。それは100年続いているという。 記念にその「力餅」も食べた。 マダム達とはこのあと温泉でも会って、おにぎりをもらった。ありがとうございます。 |
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姥湯温泉。 ここにたどり着くためにはかなり険しい急坂の峠をしばらく走る。 車はまともにすれ違えない。ガケ沿いの狭い峠。コークスクリューのようなヘアピンが連続する難所。セローの得意とするフィールドだ。 切り立ったガケの谷間に小さな建物が見える。高いガケを見上げながら入る白濁の湯。湯温は熱め。 ここはすごいな。3連休の中日だから人は多めだが、秘湯ムードたっぷり。山猿にでもなった気分だ。素晴らしい。 ゆっくりのんびりつかって沢山汗をかいた。 2つめはこの峠の中腹にある滑川温泉に行こうと思っていたのだが、かなり混んでいたという話を聞いて、他を探した。 そして目をつけたのは高湯温泉。急げば外来入浴終了の5時に間に合うはず。バンバン飛ばした。 着いてみたら...祝日で混んでるせいか、外来入浴は早々に終了していた。がっかり。ついてないなー。 |
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仕方ない、移動しよう。峠駅の茶屋のおっちゃんが「磐梯吾妻スカイラインはいいよ」と言っていた。走ろうかな。 北海道には「有料道路」というのは無いが、道外に旅に出たら、有料道路はできるだけ通るようにしている。 今まで走ってきた有料道路はどこも素晴らしく、期待をはずされたことが無いからだ。 二輪1,150円は有料道路の中でもちょっと高めだ。ここも景色がきれいなんだろうなと、そこそこの期待で行った。 そうしたら、期待を超える素晴らしさだった。荒涼とした山間を走るワインディング。 ある程度の標高まで来て今自分が走ってきた道を見下ろす。 緑が少ない荒々しい山と谷が月面みたいだな。いやー素晴らしいところだ。 |
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しかしそれだけでは終わらなかった。「浄土平」と呼ばれる峠頂上はかなり大きな駐車場とレストハウス。 道を挟んで反対側には「吾妻小富士」の看板とその山に列を成して登る人、人、人。 登ったらさっきのワインディングの風景が更によく見えるんだろうなと思って登ってみたら頂上はカルデラになっていた。 うぉー!めっけもん!こんな素晴らしい隠し玉があったなんて! カルデラのまわりを約40分かけてぐるっと一周した。背中にビッショリ汗をかいた。 高湯温泉に入れなかった代わりにこんな素晴らしい風景に出会えたのだからむしろラッキーだったのかも。 |
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キャンプ場は無料の寂れた場所。でも3連休中日だから自分以外に3組のキャンパーがいる。うれしいな。 今日は沢山の人と話し、いい温泉といい風景がみられて充実した1日になった。 さあ明日は鍾乳洞を2つ見る。鍾乳洞フリークで全国の鍾乳洞を見てきている自分としては期待が膨らむところだ。 |
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6日目実はガソリンがあまり無い。昨晩入れられなかったのが残念。例によって早く走り出したいけど、近くの二本松市を過ぎるとしばらく街は無い。田舎に行くほどスタンドが開くのが遅いだろうし。うーんジレンマだ。早く出たいけど出られない...。 |
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他のキャンパーたちに手を振って6時半スタート。二本松市内で7時に開店したばかりのスタンドに入れた。ラッキー。 さぁガソリンの心配がなくなったところで、いざ鍾乳洞へ。 これは阿武隈に向かう途中の道で見つけた「やぶさめ道場」の庭の紅葉。 目に飛び込んできた瞬間に 「うわぁー」 って叫んだ。なんという鮮やかな黄色。すんげー! あぶくま洞に着いたのがちょうどオープンの8時半。完璧だ。今日の俺はイケてる! |
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今日は今までで一番天気がいい。 でも今日のメインは鍾乳洞だからあんまり天気は関係ないんだよな...。 あぶくま洞の駐車場でこんないい写真が撮れた。白い岸壁に黄色と赤。きーれーいー。 |
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あぶくま洞。 期待よりもずっとよかった。自分にとっての鍾乳洞No1である、九州の風連鍾乳洞に匹敵する美しさと壮大さがあった。 |
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ここには光が透けて見えるほどに薄いカーテンがある。正に自然の芸術だな。 月の世界と呼ばれる空間では舞台用の調光システムを使って、朝~夜を刻々と変化する光で表現していた。 カラフルな照明は確かにキレイでいいのだが、「人口的に演出された美しさ」で、本来の造形の繊細さに気づきにくくなるかもな。 |
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入水洞。 ここは最高だった。一般の 「Aコース」 はなんていうことの無いつまらない鍾乳洞だが、 自分は当然奥にある探検コース 「Bコース」 に行く。10℃の水が流れる照明の無い狭いコース。 ここを行くために、ろうそく、草履、短パン、カッパがレンタルされる。長靴は中に水が入ってくるからダメ。 自分は頭にライトをつけ、短パンと草履をレンタルして入っていく。 Aコース内に勢いよく流れる滝の音でちょっとビビる。 |
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「Aコース」150m はあっという間に終わった。さあ
「Bコース」450m だ。たまたま地元の男女7~8名の集団と一緒になった。 彼らはろうそくを片手に入っていく。水の流れに足をつけたとたん、冷たい!!。ものすごく冷たい。 こんな中 何百メートルも歩いていくなんて不可能だ!みんなギャーギャー言ってる。時々足と背中で体を持ち上げて休憩する。 ものすごく狭いところでは引っかかって なかなか前に進まず、後ろの人は 「早く入って!足が持たないー!」 四つん這いになって進む低いところ、「本当に人が通れるのか?顔がでかい人は引っかかるぞ?」っていうくらい狭いところ、 カッパを着てない人はパンツまで濡らして、突き進む。写真はストロボで明るく見えるけど、実際は真っ暗。ろうそくとライトの光のみ。 彼らがいてくれてよかった。一人なら途中でメゲてリタイヤしてたかも? |
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ここが「Bコース」終点。いつしか足は水温に慣れてしまっていた。 この先は案内人無しでは立ち入り禁止の「Cコース」 今回Cコースは行かなかったが、Bコースだけで十分過ぎるほど楽しんだ。 いやー面白かった! |
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「リカちゃんキャッスル」。これは初代リカちゃん。 リカちゃんは昭和42年生まれ。つまり自分と同じ36歳。 これも何かの縁ということで、わざわざ500円払って見学してきた。 でも超恥ずかしくてすぐ出てきた...。 |
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温泉を出たら道路はものすごい渋滞だった。おそらくみんな水戸市に向かっているのだろう。 果てしなく続く超渋滞。すり抜けすり抜けの連続だった。暗くなる前にキャンプ場に入りたい。 しかし...地図上にあるキャンプ場が存在しない。既に陽は沈んでいるが、この先のキャンプ場は結構遠い。 でも仕方ない、ナイトランだ。渋滞はまだ続く。途中ルートを変えたがダメ。 日立市から海沿いを走るバイパスでようやくスイスイ走れるようになった。 そして次のキャンプ場。なんとここも既に無くなっていた。最悪...。更に次のキャンプ場に着いたのは9時だった。 レトルトのシチューに、直売所で買った7種類のきのこの水煮を入れてみた。味は...可も無く不可もなくだな...。 |
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めちゃ疲れた。例によってテントの中で明日の計画を立てる。 ガイドブックを見ていたら、日本3大名爆の「袋田の滝」の直ぐ近くを、今日素通りしていたことに気づいた。素晴らしい滝のようだ。 悔しくてテントの中でのたうちまわった。明日は千葉。房総半島一周。とても戻る時間は無い。また今度来ればいい。忘れよう...。 しかしどうしてもあきらめきれず、明日戻ることに決めた。それと引き換えに房総半島は捨てた。 |
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7日目3連休最終日。昨日から一転、降水確率70%の曇り空。雨の覚悟をする。滝のキレイさは それほど天気に左右されないだろうと自分を納得させる。 今日は奥久慈地方まで戻る。モーターショウ前日に千葉から離れる方向に移動する事になろうとは...。俺もホント、アホなことやってるよな。 |
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夜中、近くの湖でやたらパシャンパシャンと水の音が聞こえていた。魚が跳ねているのだろうと思ったが、それにしても頻繁に音がする。 朝起きて湖を見に行くと、無数の魚がポンポン跳ねてる。すんげーかわいい。ハイジャンプを連発するやつもいた。 更に驚いたのは、集団で一点から放射状に同時にジャンプするのを何度か見たことだ。まるでシンクロだ。 飽きない。しばらく眺めてた。 |
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北上する。 途中、竜神大吊橋 というのを見た。まぁこんなもんかという感じ。一応お金を払って渡っては来たけど。 そして袋田の滝。さすが有名なだけあって、すっかり観光地化されていて、人もウジャウジャいる。 滝は確かに素晴らしいのだが...物思いにふけりながらゆっくり鑑賞...なんていう雰囲気ではない。 残念ながらここで何かを感じ取ることはできなかった。 今日が平日ならまた違っただろうに。もったいない。 回りに人が沢山いるというだけで、風景の見え方や感動が違ってくるものなのだ。今回初めてそのことを知った。 |
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月待の滝。 ここは袋田の滝よりも規模は随分小さいが、静かにゆっくり見られた。 人も少ない。ここはいいな。 |
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ここは全国的にも珍しい、「裏側が見れる滝」。 ここは「もみじ苑」という茶屋の敷地になっていて、そこではソバが食べられる。 でも祝日のお昼時というのもあって、待ち時間は40分。ちょっと厳しいな。あきらめて他のソバ屋を探そう。 |
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国道沿いにあるソバ屋に入った。 ここ奥久慈で有名なのは、リンゴとソバと刺身こんにゃく。 奥久慈のこんにゃくは幸せだな。刺身こんにゃくだなんて高級な扱いを受けているんだから。 ソバのおいしさは冷たいソバでこそはっきり分かるのだと言う話を小耳に挟んだ。そういう事を聞いちゃうと冷たいのが食べたくなるな。 しかもさっきの月待の滝のソバがどうしても気になる。 そうだ、これから「リンゴ風呂」のある温泉に行くから、そこを出てからもう一度月待の滝に行ってみよう。 それくらいの時間帯なら すいてるに違いない。 |
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温泉でゆーっくりしてから、再び月待の滝に来たのは3時。 ソバの待ち時間は...70分...増えてんじゃん! そりゃないぜー。だめだ。あきらめよう。 今一度滝をゆっくり鑑賞した。 滝の裏側にまわると水の音はかなり大きいのだが、自然とは不思議なもので、全然騒音じゃない。いやされる音だ。 自分なりに一番いい音がするポイントを見つけた。それがここ。 目をつぶって音を聞いていると、体にどんどん 「はいって」 くる。すばらしい。ここは本当にいいところだ。 |
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十分堪能してから、駐車場に戻った。 しかし...ソバが気になる。 自分はここが大好きになってしまった。 他のおいしいソバ屋じゃだめだ...。ここのソバが食べたい...。ここの水で打ったソバが食べたい...。 そしてエンジンを止め、みたび戻って、ソバを注文した。 この素晴らしい静かな場所で、滝を見ながら、そして滝の音を聞きながら、おいしいソバをいただく。 なんて贅沢な時間。 よかった。満足感いっぱいだった。 |
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夜は 「関所の湯」 という温泉に入った。 1000円払おうとしたら5時以降は500円ということになっていた。時計を見るとジャスト5時。あーらラッキー。 夜の露天というのもいい。 またしても暗くなってからキャンプ場を探す形になった。でも今日の場合はキャンプ場が多いルートだから、 わざとゆっくりのんびりした結果だ。心細い思いはしなかった。 見つけたのは「ケビン村」。その名の通りケビンだけで、残念ながらフリーテントサイトはなかった。 しかしだれもいなかったから勝手にテントを張った。 |
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今日は朝だけいっぱい走って、あとは狭い範囲でチョロチョロしていた。 素晴らしい滝を2つ、温泉2箇所、ソバを2食、と 奥久慈地方を十分すぎるほど満喫した。 戻ってよかった。のんびりしていて楽しかった。 |
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8日目東京モーターショウ当日。昨日は本当なら千葉に突入し、房総半島を一周して幕張にできるだけ近づいてテントを張るはずだったのだが、北上してしまったため、幕張からは全く遠い場所にいる。早起きして高速道路で一気に千葉に突入する。 常磐自動車道を走る。3車線で、流れは速い速い。一番左の車線はセロー専用レーンと化していた。 |
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今回のツーリングの最後を締めくくるビックイベント。東京モーターショウ。 開場直前の9:45に到着した。平日なのに人がいっぱいいる。 2年前のモーターショウは時間の関係で二輪の方は堪能したが、四輪はちょっとしか見れなかったから、 今回は四輪の方もくまなく見ようと頑張った。 一眼レフとデジカメで写真を撮りまくった。人ごみがすごいから写真を撮るのも簡単にはいかない。 特に四輪が厳しかった。頑張って最前列までにじり寄ると車体全部が入りきらない。下がると人の頭が写りこんでしまう。 10時から6時まで、ほぼ休み無く歩き回った。ヘタな遠足よりずっと歩いた。 それでも細かいところまで全てをじっくり見るのは1日では不可能。 閉場の7時までいても良かったのだが、6時の時点で足腰が限界。ガクガクだった。 残念だったのは、ミラノショウには展示されていたMGS/01のプロトタイプが東京には来ていなかったこと。 今回何をさておいても一番見たいと思っていたものだったからがっかりだった。 モーターショウの詳しいレポートは別のページに公開していますのでそちらをご覧ください。 |
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大洗フェリーターミナル。 12:00出港予定だったが、積荷が遅れていて20~30分遅れるとの事。 眠い。モーターショウでもらったカタログを見ながら出港を待ったが、今にも寝てしまいそうだ。 12:20。デッキに出てみると、まだトラックが船を出入りしている。うーん、ダメかも。 今まで船に乗ったら離れていく陸を必ず眺めていたのだが、今回ばかりは出港の瞬間を見ずして寝てしまった。 |
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今回もセロー君は頑張って走ってくれた。 出発前は足回りをフレッシュアップしたが、やはり一番の心配はエンジンだった。 今回走ってみて、我がセロー君のパワーダウンは明らかだった。ちょっとした事ですぐノッキングするようになったし、 オンロードタイヤになったから最高速は伸びるはずだけど、回すとメカノイズがひどくて100km/h出すのも怖かった。 |
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9日目朝起きたら海の上だった。出港の瞬間を見届けていないから、不思議な気分だった。行きとは大違いで、帰りの海は天気もよく、波も穏やかだった。 |
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東北上陸の日に見た 「北山崎」 を、今度は海の上から見る。 | ||||||
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デッキに出て潮風にあたりながら本を読むのが
お気に入り。 のんびりとした贅沢な時間。 そう、贅沢って言うのは お金を突っ込むことじゃなくて、時間のすごし方にあるわけだね。 |
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大きなトラブルも無く無事に帰ってきた。快晴!っていうのも少なかったけど、まずまず天気はよかった。 秋の旅は今回が初めてだった。ほとんどが夏、そして1回だけ真冬。 暗くなってからキャンプ場を探すのは難しいし、寝床は陽が落ちる前に確保したい。 夏は7時半までだがこの時期は5時。これだけで2時間半もビハインドがあるわけだ。この差は大きい。 それだけで走れる距離、回れる土地、のんびりできる時間はかなり変わってくる。 更に朝も。日の出の直前、空が徐々に明るくなってくる時間をゆっくり味わって、それからスタートしても時間に十分余裕がある。 今回は朝5時から走り出すことが多かったが、この時期の5時は真っ暗なのだ。できるならやっぱり夏に旅がしたい。 紅葉の中を走る秋の旅の良さも十分感じたけどね。 残された千葉と愛知を制覇して、それで自分の旅はひとまず完結かな...という気でいたが、 今回愛知を含む中部地方を残してしまったことを差し引いても、「自分の旅はまだ終わらないな...」漠然とそういう思いを持って帰ってきた今回の旅だった。 沢山の素晴らしい景色を見、大小様々8箇所の温泉に入り、沢山の人と話した。 特に旅先での人との出会いは数々の偶然の重なり合いが生む。それこそ信号が変わるタイミング一つで出会いは変わる。その偶然に自分は感謝する。 3年ぶりの旅は、充実していてとても楽しいものだった。 |
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主要データ
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