本が大好きで、沢山の本を読む。
けど、新しい本に入ると 前読んだものの内容を忘れちゃうし、本が自分に何を残してくれたかを覚えておくための記録を兼ねて、
ここでは私が最近読んだ本を紹介します。
06 07
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「いつもの朝に」 今邑 彩 06年 集英社 「現代に生きるカインとアベルの物語」 今邑彩作品2冊目 |
| (’08/6) 幼い頃から持っていた熊のぬいぐるみのお腹に縫い跡があることに気付いた。 腹を裂いてみると中から知らない人物からの自分に宛てた手紙が出てきた。 400ページの厚い本、しかも文字が小さく二段に分かれているから、かなりの長編だ。 でもあまり日数がかからず一気に読んだ。さほど長いとは感じなかった。 ミステリーにしてはさほど複雑では無く、読者にトリックを仕掛ける事も無く、難しい表現もなく、展開が分かりやすくて読みやすかったのが要因。 非の打ち所が無いと誰からも言われる人が抱える心の闇、 真っ白いテーブルクロスに対する恐怖心、 愛する人の笑顔が見たいから罪を犯す、 愛されたいがゆえに殺す…。 「殺人者の血は遺伝するのか」というとても深いテーマを取り上げている。 でもスイスイ読めてしまった事と引き換えに、何故か心に強いインパクトを残さなかった。 ★★★ |
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「THE QUIZ」 椙本 孝思 07年 アルファポリス社 |
| (’08/6) 「優勝賞金1億円。ただし不正解なら消えてもらいます」 決勝に進んだ10人の回答者の運命は?そしてクイズの真の目的とは? 設定も展開も無理があるなぁと思いつつ、でも最後には説明が付いてしまった。 ずーっとおぞましい描写が続いてうんざり。 でも何やら清々しい気さえするエンディングにつながる。 後味が良かったからまぁいいんだけど、でもこれだけおぞましい内容の本にあんまり★をつけるわけにはいかないなぁ。 ★ |
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「チーム・バチスタの栄光」 海堂 尊 06年 宝島社 第4回「このミステリーがすごい」大賞受賞作品 |
| (’08/5) バチスタ手術専門の天才外科チームに連続術中死が発生。医療過誤か殺人か。万年講師の田口と変人白鳥の2人による聞き取り調査が始まった。 バチスタ手術をテーマにした話と言えば思い出すのが坂口憲二主演ドラマ「医龍」。 あんな感じの話と想像したんだけど、全然違った。 バチスタチームの栄光の物語ではなく、むしろ影の部分の調査を主題にしている。新しい切り口の物語だなぁと思った。 かなりのページ数を残して謎が解決してしまい、残りのページをどうするんだろうと思ったけど、その事後処理の部分もドラマが残されていた。 難しい単語がいっぱい出てくるけど面白かった。 ★★★ |
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「秋の牢獄」 恒川光太郎 07年 角川書店 恒川光太郎作品デビュー3作目。 |
| (’08/4) ・「秋の牢獄」 目が覚めるとまた11月7日だった。 世界はそもそも11月7日しかなかったのではないか。 しかし同じ日をリプレイしているのはどうやら私だけではなかった。 ・「神家没落」 ぼくはこの家に閉じ込められたのだ。 他の誰かを見つけるまで、この家を守る義務を負わされ続けるのだ。 事情を話せば拒否されるに決まってる。ならば騙すしかない。 ・「幻は夜に成長する」 生かされているという言葉に嫌悪感を覚える。外出は不可、運ばれる食事は1日2度。昼には客が来て、私の手を握る。客の多くは声を上げ涙を流す。 恒川光太郎デビュー作を読んで痛く感動した。 その後の彼の作品も素晴らしいに違いないと思った。 その後の2作品を読んで、予想通りだった事と予想と違った事があった。 彼の異次元的な発想の豊かさ。常人には想像も付かない彼だけの世界は相変わらず冴え渡っている。 そして予想外だったのは彼がかなりホラー寄りの人だった事。 引き続き彼の新作には期待しています。 ★★★ |
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「ラッシュライフ」 伊坂幸太郎 02年 新潮社 伊坂幸太郎作品2冊目 |
| (’08/4) Lash=激しく動かす事、Lush=華麗な、Rash=せっかちな、Rush=突進する…。 ラッシュライフ−豊潤な人生。 ・金で買えないものは無い。戸田は金の力で一人の人間の夢を潰すことも簡単にやってみせたのだ。 ・黒澤は空き巣に入った家にメモを残す。盗んだ金額とそれ以外には手をつけていない旨を知らせる事で被害者の精神的負担を軽減するためだ。 ・教祖の高橋を本当の神であると感じていた河原崎に塚本は告げた。「神を解体する。君はそれをスケッチしてくれ」 ・電話の内容は夫からの離婚話だった。京子は青山に言った。「手間がはぶけたわ。彼もラッキーね。殺されずに済んだのだから。あとはあなたの奥さんを殺すだけね」 ・40社連続不採用の豊田。 公園の汚い野良犬は自分のようだ。 野良犬にハサミを持った女が近づいて来た。 豊田の口から思いがけない言葉が出た。「何をする、それは私の犬だ」 全く違う5つの物語が同時進行する。 それぞれが面白く進むんだけど、一番大きいのはこれらの5つが最後にどう繋がって行くんだろうっていう期待感なわけ。 でも交わりながらも大きくは繋がらずに終わってしまった。 これなら5つの連作短編集でも良かったと思う。 同時進行する以上、全てが一つの結論に向かってドラマチックに繋がってほしかった。 ★★★ |
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「死神の精度」 伊坂幸太郎 05年 文芸春秋社 「クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語」 |
| (’08/3) 死神達はミュージックに夢中だが、もちろん人間には興味が無い。だが今日も人の死を見定めにやってくる。何故か。それが彼らの仕事だからだ。 調査部が指示した人間を一週間調査し、その人物の死が「可」であるか「不可」であるかを決定する。どういう死に方をするのかは知らされていないが、その死を見届けて仕事が終わる。 調査部に指示されたのは「ベージュの車で国道を進めば今回の調査対象に遭遇できる」という事だけだった。 言われた通りに国道を進み信号待ちしていると、血の付いたナイフを持った森岡が 突然乗り込んできた。「このまま北へ行け。あんたにも予定があるだろうが運が悪かったと思え」。 運が悪いのは死神に選ばれたおまえの方ではないかと教えてやりたかった。 死がテーマで、主人公の死神は血が通ってない人間味の無さを放っているのだが、どこかほのぼのしたところもあり、切なさもあり、不思議な連作短編集。 ★★★★ |
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「雷の季節の終わりに」 恒川光太郎 06年 角川書店 デビュー作「夜市」があまりに良すぎたから、彼の作品は間違いないと確信した。 恒川光太郎作品デビュー2作目。 |
| (’08/2) 「その土地の名は“穏(おん)”という。 地図には載ってない。 穏には風わいわいというおばけが出る。 風わいわいは雲から降りてきて見つけた人間に取りつく。 穏のあちこちでは鬼も歩き回る。 鬼は人をさらう。 穏には春夏秋冬の他に雷季というのがある。 雷の季節にはよく人が消える。 それはもう仕方がないんだ。」 長編は中だるみする事が多い。 特に集中力の無い自分のような奴の場合、展開がちょっとダレてくると字を追うだけのような感じになっちゃって、途中のストーリーが抜ける事がある。 でもさすが彼の作品には中だるみが無い。 一度読み始めると続きを読むのが毎日楽しみになる。 今回の作品は私が絶賛する「夜市」のひたすら静かな雰囲気とちょっと違って、とても暗く、不気味な雰囲気が漂う。 そういう意味では好き嫌いが分かれそう。 何十冊も執筆している人気作家の作品には「やっつけ仕事」を感じさせる作品もあるが、単純にデビュー2作目の気合という事ではなく、奥行きの深さは彼の作風なのだと思う。 きっとこれからも、どんなに有名になっても手を抜くことなく、力の入った作品を出し続けてくれるだろうと確信する。 それにしても綺麗な表紙ですね〜。 ★★★★ |
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「いのちのパレード」 恩田陸 07年 実業之日本社 「あらゆるジャンルに越境し、読者を幻惑する恩田マジックが一際冴える15篇」 |
| (’08/1) 「先生はいつも ”見せ掛けではない真実の善を成せ” と教えてくださいました。 そして私の父が死んだ晩、私の手を引く先生は気づいておられました。 父を殺したのが私であることを。 そして先生は、知らぬフリをすることによって、妻と子の人生をメチャクチャにする暴君の死は ”真実の善” であると示して下さいました。」 (あなたの善良なる教え子より) 「自己紹介もあいさつも歌でしなきゃいけない。だってこれはミュージカルなんだから。 僕とアニーは公園に行く。オーケストラと共に。公園にいた人たちはビックリしたけど、 これがミュージカルだと気づいてしらんぷりをした。その辺はみんなわきまえてる。 愛の告白も歌でしなきゃいけない。仕方ない。これはミュージカルなんだから」 (エンドマークまでご一緒に) 展開したままどこにも着地しないで終わったり、結論が出ないまま完結したり、謎が謎のまま終わったり、そういうパターンが多かった。 わざと結論を出さないで読者に想像させるっていう手法はアリだと思うんだけど、多用しすぎっていうか、終わるのが手前過ぎるっていうか… 独特で不思議な雰囲気は好きだし、中には面白いものもあるんだけど、どうにも消化不良な印象が残った。 ★★ |
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「グレイヴディッガー」 高野和明 02年 講談社 Y氏から借りたオススメ4冊目 高野和明作品2冊目 「13階段をしのぐ圧倒的迫力。 空前の疾走感で展開するノンストップサスペンス大作」 |
| (’08/1) 短時間で立て続けに起こった連続猟奇殺人事件。 無差別殺人かと思いきや、被害者達には共通点があった。 それは「骨髄ドナー登録者」であること。しかし何故? 犯人の異常な殺害方法は西洋の伝説「グレイヴディッガー(墓堀人)」を真似ているように見えた。 それは「魔女狩り」の被害者が墓から蘇り、自分を殺した者達に復讐をしたという伝説だった。 時を同じくして別の殺人事件の被害者死体が司法解剖の前に消える事件が起こっていた事が分かった。 死者が蘇って復讐を開始したのか… 帯に書かれた文句は大抵大げさで信用ならんものだけど、これに関しては確かにスピード感のある展開で楽しめた。これも映画にすると面白そう。 福山雅治と柴咲コウ主演のドラマ「ガリレオ」みたいに、一見非科学的な不思議な現象も空想世界に逃げずにちゃんと現実的にまとめあげてる。 登場人物が多いことも合わせて、途中の展開が頭に残ってない部分もある。 460ページに及ぶ大作は自分にとってはちょっと長すぎたかもしれない。 ★★★★ |
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「13階段」 高野和明 01年 講談社 江戸川乱歩賞受賞作品。 映画の脚本家によるデビュー作。 Y氏から借りたオススメ本3冊目 |
| (’08/1) 「犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官と殺人の前科を持つ青年が調査を始めた。手がかりは死刑囚の脳裏に蘇った階段の記憶のみ」 加害者の苦悩、被害者に向けられる理不尽な扱い、人が人を裁くことの矛盾、死刑になる者の苦悩、死刑を執行する者の苦悩、…などがリアルに描かれている。 フィクションとはいえ自分の知らない裏の世界を垣間見た思いがした。まるで映画のようなクライマックスの展開…さすが脚本家…と思っていたら、この作品は本当に映画化されていた。 面白かった。結構厚い本だけど少ない日数で一気に読んだ。 とてもデキのいい、霊感世界と現実世界の両極のミステリーを2冊続けて読んで、ひとつ分かったことがある。 自分は現実路線より非現実路線の物語が好きらしい。 絶対に有り得ないんだけど、でももしかして…って思わせてくれるようなファンタジー寄りのミステリーが。 ★★★★ |
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「夜市」 恒川光太郎 05年 角川書店 05年日本ホラー小説大賞受賞作品「夜市」 と 書き下ろしの「風の古道」の2編 Y氏から借りたオススメ本2冊目。 |
| (’08/1) 「夜市」 コウモリが言った「今宵は夜市が開かれる」…。 いずみは誘われるままに祐司に連れられ夜市に出かけた。 場所は外灯も無いような岬の森の中。 「誰もいない。場所が違うんじゃないの?」 「いやここだ。すごく特別な市場だからね」 やがて青白い光が見えてきた。 最初に姿を現したのは永久放浪者だった。 黒い布の上に石や貝殻を並べていた… 「風の古道」 7歳の春、花見の会場で父とはぐれてしまった。 泣く私に知らないおばさんが近づいてきた。 「この道を真っ直ぐ行くと帰れるよ。寄り道しないで。夜になるとおばけが出る道だからね…」 どちらもよく似た、とても静かな雰囲気の作品。 古い時代を描いた映画のような映像がありありと頭に描けた。連作ではないけど、二つの作品に共通点を持たせているのも面白い。 静かで、不思議で、切ない、この世界に入り込んだ。 本当にこの世のどこかでこういうことが起こっているんじゃないかと思わせる。 「悲しげなファンタジー」とでも言いたくなる内容。 中断しても続きが読みたくてウズウズした。とてもデキがいい。かなり気に入った。 この本は借り物だけど、読み終わってなお自分で購入しようと思った。手元に置いておこうと思った。 そして忘れた頃にまた 悲しくて切ない「夜市」に足を運ぼうと思う。 とても強く印象に残る一冊になった。 ★★★★★ |
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